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井垣悠景というキャラクター

どうも、七緑です。



井垣悠景(いがきゆうけい)というキャラクターについて考えていきます。

物語の主人公である彼は、深山美奈を常世から救い出すために、奔走します。


早くに両親と祖母を亡くした悠景は、祖父と2人で暮らしていました。

祖父は基本的に放任主義でしたが、唯一の規則である早朝の瞑想だけは欠かさず行うように言い付けていました。


この瞑想には、悠景の潜在的な能力を高める目的と覚醒の暴発を防ぐ目的と真理へと導く目的がありましたが、祖父は悠景に理由を知らせることはありませんでした。

後に、憐によって明らかになりますが、真理へと導く目的を持った問いの本質に気がつくのは随分と先の話になります。


仮面は精神を具現化する装置だと考えられていますが、実は物質世界(現世)と精神世界(常世)の境界を曖昧にする装置です。

それを自在に操るためには、自意識と向き合う必要があり、祖父の言い付けである瞑想には、その働きがあったというわけです。


祖父は一連の事件に巻き込まれて死にます。

死の間際に祖父は悠景へ、美奈を守ってやるように言い残します。それは、美奈の危険を察知してのことでしたが、悠景にはその真意は伝わりません。


そして、数日後に美奈が失踪します。紐解いてゆけば、全て関連がありますが、それを知るのは白波瀬邸へ引っ越して、本格的に活動するようになってからです。


これらの出来事の原因には、悠景が深く関わっていますが、本人は知る由もありません。

悠景が直接的に関与することになったのは、幼少期の臨死体験が始まりです。

悠景は何かの拍子に修得し、覚醒してしまいます。運悪く、その場に居合わせた美奈は大量の泥を浴びて授得し、覚醒しました。

覚醒は、脳の構造自体を大きく改変します。それは身体に多大な負荷を掛けることになります。それが原因で2人は記憶を欠損してしまいました。

だから、当時のことを思い出すことなく、彼らは普通の高校生として生活しています。


悠景の周囲で立て続けに事件が起こるのは、井垣家が代々引き継いできた血に秘密があります。

悠景の一族は"鬼を宿す魂"を持っており、常現(常世と現世)の境界を歪める力を持っていると言われています。

今ではその血が薄まり、鬼を宿すという伝承だけ一族に伝わっている状態です。祖父にもその力が備わっているわけではありませんでしたが、様々な条件が重なったことで悠景は先祖返りのように覚醒しました。

祖父の言い付けである瞑想は、鬼を宿した魂を制御する効果を期待してのものでした。

悠景が美奈を覚醒させたことを知った祖父は、2人の今後の事を考えて、瞑想をさせ続けました。

祖父にも、正解は分かりませんでしたが、出来るだけの対処として、万が一に備えて修行させていたのです。


このように悠景は、"鬼を宿す魂"を持つ者としての宿命を背負っています。その上で、美奈を救出し結ばれるという目標と、人との関わり方に答えを出すという目標の、どちらも達成する必要があります。



悠景の背景設定に関しては、こんな感じになるかと思います。細かいところは詰め切らずに、とりあえず置いておきます。

井垣家とその他の神社に関しての扱いに迷うところがあるので、次回はそこら辺のお話が出来ればと思います。


では、近いうちに。