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劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト

どうも、七緑です。


「劇場版 少女歌劇 レヴュースタァライト」を鑑賞してきました。


まずは数日前のお話。にょもすけ氏に勧められて1ヶ月ほど経ち、流石に見る見る詐欺も心苦しくなってきたところで休日を利用してTVシリーズの方を一気見しました。


<TVシリーズの感想>

序盤の設定としては、宝塚音楽学校を想起するような劇団員養成学校で主役を目指す少女達の青春活劇です。

冴えない少女がスターになるまでの努力と青春を描くありきたりな物語かと思っていました。ジャンルが演劇だとしても、アイドルモノでやり尽くされたフォーマットを使って描けば新鮮な作品には成り得ないとそう考えたからです。


しかし、1話の後半から様子が変わり、それと同時に私の見る目も変化しました。

作中でレヴューと呼ばれるオーディションの場では、スターの座を奪い合う少女達が舞台上の殺陣のような戦闘によって、競い合います。

オーディションの場は異世界で、唐突に戦闘が始まります。現実世界との関係性は曖昧で語られる事はありませんでした。少女達の心理描写と言って間違いないでしょう。葛藤する2人の心情のせめぎ合いを殺陣によって描写するわけです。

ここまでお話すると連想される方もいるかも知れませんが、「少女革命ウテナ」のフォーマットを使用している作品でした。BANKを多用したり、変身BANKで現実世界と異世界を仕切ったり、毎話数戦闘シーンを入れたりとウテナや特撮モノを継承している要素が多々ありました。

そうなると、その他にウテナを意識している要素があるのではないかという考えに至ります。ウテナでは1990年代の女性像に革命を起こすというテーマでしたが、スタァライトではどうだろうという事です。


舞台俳優の大変さや主役の座を奪い蹴落とした役者達の気持ちを燃料にするという内容は非常によく分かります。

しかし、テーマがいまいちピンと来ませんでした。とっ散らかっているというか消化不良気味でなんとかラストに漕ぎ着けたような感じです。


<劇場版の感想>

非常に良くできていたと思います。TVシリーズと打って変わって現実と虚構を行ったり来たりするため、非常に分かりにくいですが、意図的でしょう。

それは劇場版でのテーマに関する演出でもあったように思います。

そのテーマとは"舞台俳優は役と自信を同一視してこそ、本物となる"という事でした。

少女達の戦いは彼女らの嘘を明らかにして、消し去る事を目的に行われます。

裏テーマとしてはキリンが重要なんでしょう。キリンは我々視聴者と同義なわけですが、私達が燃料となり彼女らの輝く舞台を作っています。見たい見たいと言えば、舞台は新たに作られますが、場合によっては彼女らを傷付ける間違った舞台が用意されてしまうわけです。現代のSNS社会において、少女達は相互評価する世界に身を投じています。一部の特殊な例ではなく、身近な問題なわけです。時には傷付き、時には嘘をつく事によって評価を得ています。しかし、確実に心はすり減り消費され続けるわけです。

キリンはやはり最後まで何も分かっていなかったんだと、そう思います。


では、近いうちに。